とぎれとぎれの言葉がぼくの心、蝕んで。
はちゃめちゃな「愛してる」が雨音に代わる。
やぶれかぶれの歩道橋、無視して交わる悩んで
ゆるゆるな上り坂、気づけば5キロ。
焼けるようなアスファルトならまだしも心も許せたのに。
妬けるような氷雨だから心許ない。なぜ?なぜ?
ここはどこ?なにしてるの?
左は行けない地獄の門。
ここはどこ?なにしてるの?
右に行かなきゃ立ち往生。
ここはなに?どこいくの?
左は崖、落ちないで
ここはなに?どこいくの?
轟音、心がまた跳ね上がる。
始まりの音は「どうして?」ため息が後ろ振り返る。
どんな困難にだって立ち向かうと決めたのに。
発車時刻は笑い声、ため息が雄たけびに変わる。
旬なことじゃないけど、ここが決めた人生(みち)。
妬けるようなスターロードなんてどうでもよくなるほどに
焼け焦がすような陽炎だから前へ進め。漕げ!漕げ!漕げ!
ひるがえした、その足をもう一度あの場所へ。
戻れば、戻るほど、心蝕んでく。
ここは戦場。敵は慢心。握るハンドルはさらに強く。
ここは過去。2秒前の踏み出せないペダルはここにはもうない。
エンジンに嫉妬し、ガソリンに憎悪し、リズムは刻まれず、ピッチは不安定
歌にならない掠(かす)れた呼吸。黒く染まる心音。
燃えカスが残る腹を見て、カスでさえも跡形もなく燃えつくせ。うたうぞー!!
とぎれとぎれの鼓動が覚醒を
目を覚ませ、前へ行け。
ひとつひとつの心音(バスドラム)が
主人公、打ちならせ。
声なき者の祈りが
無数の無風の追い風。
軋むフレームが声援に変わる。
雨に濡れた戦場。焼け焦げたその路は139号線。