女の子が家に来る時は、部屋が綺麗になるんだ。
あなたと別れてから、何回部屋を綺麗にしたことだろう。
あなたがしようと言ってくれた、駄菓子屋で買った線香花火。
結局しないまま別れてしまって、手紙と一緒にしまいこんでた。
死に物狂いで、あなたを忘れようと 2人で撮ったプリクラをあなたと僕
間にハサミをいれた。
迷惑ばかりかけるようで、それでも手の平で指が動く 決めたはずなのに、
送ってしまうメール
邪魔だよね、わかってる。
ごめんなさい、まだ好きです。 振り返らないことをわかっているから。
はっきり、大好きだと。嫌いになって早く次の人へと。
あなたも僕をまだ好きだと、わかっていながら送ってた。
2週間経って、嘘をついた。 新しい彼女が出来たと。
3週間経って、噓をばらした。 困惑したあなたの顔が浮かんだ。
2ヶ月経ってあなたに彼氏ができた。 当たり前だよ、めちゃくちゃ可愛いんだから。
大好きだから、嫌われたくて だから手の平で、指が動く
きっとあなたは、僕のことが忘れられない。
好きなんだよね?わかってる。
ごめんなさい、やっぱり好きです。 彼氏出来たの?よかった今度は幸せにしてもらいなよ。
毎日会える人で、お金がある人なんでしょ?
あなたはもう僕を好きじゃないとわかっていながら送ってた。
追い掛けてた夢より僕を選ぼうとしたあなたを
守ることができなかった。
2年経ったある日。 あなたから久しぶりの返信。
「私をストレスで病院送りにしたいの?やめてよ。
もう二度と連絡をしないでこないで。さようなら。」 さようなら。
あなたを重ねて抱いて綺麗にしたこの部屋は
いつのまにか、名前を思い出せないくらいのあなたを抱いてた。
大好きなあなたに念願の僕の夢である
嫌われることが、出来たんだけど。
ごめんなさい、まだ好きです。
振り返らないとわかっていても。
はっきり、大好きだと。
ものすごく汚い部屋で、付き合い始めにくれた
あなたからの手紙を読み返します。
いつになればこの線香花火、火を着けることができるのだろう。